【日本証券新聞・コラムより】

11月9日 16:00 

「日米株価」逆転鮮明

 3ケタ差は9カ月ぶり


このところデッドヒートを繰り広げてきた「日経平均」と「ニューヨーク(NY)ダウ」だが、11月5日のNYダウ急伸、1万ドル回復で、日経平均側が大きなリードを許す格好となった。

もちろん、円とドルという単位の違いを踏まえれば「単純比較は無意味」との声もあろうが、ともあれ両者ともに絶対額が1万近辺の水準で推移してきたわけだ。

日米を代表する両指数の、ここ1年ほどの推移をたどると、昨秋リーマンショックの頃までは日経平均が1000ポイント程度の上ザヤで推移していた。その後の暴落過程でNYダウに逆転を許したものの、今春以降は一貫して日経平均優位が続いてきたものだ。

まず、最初の“異変”が生じたのは10月6日。わずか39ポイント差ながら、2月23日以来の逆転劇となった。この時は、詰め寄られた日経平均が大幅高に転じて、すぐに逆ザヤ解消。

続いて、10月29日にも、71ポイント差の逆転が生じたが、この時にはNYダウが急反落に転じ、結果的に日経平均優位に戻っている。

そして今秋3度目の逆転が、11月5日だ。もっとも、過去2回とは異なり、今回は、一気に288ポイントもの差を付けられている。今年に入って、NYダウが100ポイント以上の差で日経平均を上回ったのは、2月12日以来9カ月ぶりで、今年11回目のこと。また、「288ポイント」の逆ザヤ幅も、今年5位の高水準。

6日の日経平均は、もうひとつ戻りが鈍く、過去2回のように、NYダウに対して巻き返せるか正念場を迎えている。

そもそも日本株がバブル相場のピークだった、1989年12月末時点の日経平均は、NYダウの13倍以上に買われていたものだ。その後は、世界経済における日本の存在感低下を象徴するような展開をたどってきたわけだが、ここで踏みとどまれるかどうか、向こう数日の日米株価動向からは目の離せない展開が続きそうだ。

11月12日 11:30

日本株売り推奨の“謎”

 クレディ・スイス証券 たった半月の心変わり


外国人投資家の、日本株に対する関心低下が指摘されて久しい。経済の低成長体質や民主党政権の迷走ぶりに加えて、近年の相場パフォーマンスの低さ自体も、敬遠ムードを誘うといった構図だが、こうした流れの中で発行された、クレディ・スイス証券「グローバル・エクイティ・ストラテジー」がちょっとした話題を呼んでいる。ドイツなど大陸欧州株の推奨ウエートを引き上げる一方で、日本のウエートを下げたものだ。

外資系証券が日本株の推奨ウエートを下げる動き自体は、さほど珍しいものでもない。実際、最近の各社ファンドマネージャー調査に現れているように、海外機関投資家の多くは、既に日本株を大幅なアンダーウエートにしている様子だ。

とはいうものの、レポートの発行元がクレディ・スイス証券となると、市場の受け止め方も少し変わってくる。

もともと、比較的短期スタンスでの投資推奨を実施してきた同証券ではあるが、ここ数カ月間で発行された投資戦略レポートを時系列で見ていくと、表の通り、かなりのブレが感じられる。

特に、9月30日付で「10―11月は『押し目買い』スタンスを推奨する」として、ひとまずポジティブな姿勢に転換。さらに10月23日付で「『押し目買い』から『買い』にアップグレード」と、日本株の評価を高めておきながら、まだ半月あまりしか経っていない今回、11月10日付で、いきなり「ベンチマーク並みに引き下げる」と、いわばハシゴを外してきたためだ。

もちろん、欧州株引き上げの余波という相対評価の側面はあるにせよ、日本株引き下げの理由に挙げられた、「民主党の政策の誤り(円高、財政引き締め)」や、マクロ経済、金融政策、銀行の増資懸念――などの要因はいずれも、今に始まった話ではない。少なくとも10月23日時点と大きな相違は見られず、違いといえば、海外市場とは裏腹に日本株の水準が下がったことくらいか。

もちろん“下衆の勘繰り”の類いではあるが、証券関係者の一部でささやかれるのは「ポジショントーク説」。

クレディ・スイス証券と言えば、有数の先物プレーヤーとして知られることが背景でもある。

大証が毎日発表している日経平均先物の手口情報をもとに市場筋が作成した、同証券の「推定先物ポジション」によると、10月下旬を境に、一気に大幅売り越しに転じている。強気レポート発行の直後あたりのことだ。これと平行する格好で、相場も下げ足を速めた。また、やはりポジティブな内容の9月30日付レポート発行直後にも、しばらく同証券の売りが膨らむ場面が見られた経緯がある。

偶然の一致にしても、深読み好きの市場筋からは、「今度は“買いたい弱気”で、買い戻しを本格化してくるはず」との憶測の声も生じている。

本格的な外国人買いを呼び込むには、もちろん日本株自体の魅力向上が不可欠ながら、タイミング的にいえば、ヘッジファンド決算期末などもにらんで、買い戻し相場に発展しても不思議はないところではある。